2026.5.25

「話しても伝わらない」と感じたときに。上司にも家族にも使える「伝わる交渉術」

著者:加藤愛子

「話しても伝わらない」と感じたときに。上司にも家族にも使える「伝わる交渉術」

「ちゃんと説明したのに、伝わらなかった」。

仕事でも家庭でも、そんな感覚にぶつかることがあります。自分としては冷静に話しているつもりでも、相手には響かない。むしろ、話せば話すほど平行線になってしまう。今回のエピソードでは、ハーバード・ビジネススクールの「交渉術」のWoods(ウッズ)教授の話をヒントに、そんな時に見直したい“会話の順番”についてお話しました。

印象的だったのは、交渉とは「自分の主張を通すこと」ではなく、「相手の立場に立って、相手が何に困っているかを理解すること」から始まる、という視点です。

たとえば上司に働き方の相談をするとき、「私はこれだけ頑張っているので、この条件を認めてください」と入るよりも、まずチームや会社が今どんな課題を抱えているのかを聞く。そのうえで、「その課題に対して、私はこういう形で貢献できます」と提案するほうが、相手にとっても受け取りやすくなります。

この考え方は、家庭でも同じです。家事や育児の分担でうまくいかない時、つい「私はこんなに大変なのに」「もっと分かってほしい」と伝えたくなります。でもそこで一度立ち止まって、「今、何に困ってる?」「どこが一番負担になってる?」と相手に聞いてみる。すると、ただの言い合いではなく、二人で解決策をつくる会話に変わっていきます。

今回のエピソードで繰り返し出てきたのは、「私」ではなく「私たち」という視点でした。仕事でも家庭でも、一方が我慢する形ではなく、お互いの得意なことや状況を踏まえて、どうすればチームとしてうまく回るかを考える。その発想があるだけで、交渉は対立ではなく、協力に近づきます。

話しても伝わらない時、必要なのは“もっと強く言うこと”ではなく、“もっと相手を理解すること”かもしれません。聞く、理解する、提案する。その順番を意識するだけで、上司との会話も、パートナーとの話し合いも、ずいぶん変わるはずです。

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